白蘭先生の授業風景6
ハル「はひー!やっぱり簀巻き人生スタートでした!!」
スパ「……何でウチまで一緒に巻かれてるんだろう」
白蘭「仕方ないよ。ハルがスパナ君の腰に抱き付いたまま離れないんだから。二人一緒に簀巻きにしておかないと、また逃げられそうだし。…それにしても、一緒の布団に包まってるなんて羨ましいなぁ。身体密着してるし、気持ち良いでしょ」
スパ「いや、全然。そんなに羨ましいなら、あんたがウチの代わりにハルと一緒に布団に包まれば良い。喜んで代わるよ」
ハル「はひ!スパナさん、恐ろしい事言わないで下さい!!」
スパ「い、痛…内臓がギリギリ悲鳴上げてる…。腕の力、緩めて」
白蘭「うん、僕もそうしたいんだけどね。残念ながら、ハルを引き剥がすのはなかなか難しそうなんだ。君を殺しちゃえば簡単に離れてくれると思うんだけど、協力してくれる?」
スパ「…嫌…」
ハル「何ですか、このデンジャラスな会話はっ」
白蘭「無理?」
スパ「うん、無理。ウチはまだ死にたくない」
白蘭「そっか。じゃ、仕方ないけど別の手を考えないとだね。………何時までも僕の目の前でイチャつかれても目障りだし」
スパ「ボソッと本音が出たな…。別にイチャついてなんてないんだけど。…ハル、白蘭もああ言ってる事だし、一回で良いから離す気は――」
ハル「ありません!」
スパ「逃げないよ?」
ハル「真顔で嘘を吐かないで下さい」
スパ「………」
ハル「………」
白蘭「はいはいはい、見つめ合わない。顔離して、離して」
スパ「く、首…首が折れる」
ハル「はひー!スパナさんがまるでエクソシストに出てくる悪魔の女の子の様です!首が180度曲がりそうです!!」
スパ「解説は良いから、この人止めて…ウチの死亡フラグ、かなりの勢いで立ってるから」
正一「白蘭先生、やっぱりあの門―――うわ!?」
白蘭「あ、正チャン。良い所に」
正一「ななな何やってるんですか!スパナの首、折れそうですよ!?」
白蘭「そりゃそうだよ。だって折ってる最中だし」
スパ「あ、やっぱり」
ハル「正一さんー!スパナさんをヘルプです!!このままだと、ハルは白蘭さんと一緒に簀巻きにされちゃいます!」
スパ「あんたが心配するのは其処だけなのか」
正一「白蘭先生!止めて下さい、今はそんな事をしてる最中じゃありません。ボンゴレの者と思われる人間が数名、このミルフィオーレ学園内に侵入しています。直ぐに部隊を捜索に向かわせないと…」
白蘭「正チャンは仕事熱心だね。正確な人数は解らないんだ?監視カメラは?」
正一「カメラは門と一緒に破壊されていました。ハッキリとは解らないのですが、今のところ2名…いや、3名かと」
白蘭「門の修復にどれぐらい掛かりそうなのかな」
正一「恐らく一時間程度…。その前に新たな手勢が入って来ない様に、精鋭部隊を配置してます」
白蘭「うーん、本当にスパナ君で遊んでる場合じゃないって事か。ハルちゃん、大人気だね」
ハル「はひ…。何だか複雑です」
白蘭「それじゃ、僕はちょっと出て来ないといけないから、良い子で待っててね」
ハル「はひ!まさかこのままですか!?」
白蘭「そうだよ。何か問題でもある?」
ハル「大有りです!!」
白蘭「今度はスパナ君も居るから寂しくないよ。成るべく早く戻って来るから、また後でね。行こうか、正チャン」
正一「はい。…スパナ。悪いけど、暫く辛抱しててくれ」
ハル「あぁぁ、正一さんも行ってしまいました…」
スパ「取り敢えず、これでウチの寿命は少し延びたな…えーと」
ハル「何やってるんですか?もぞもぞと…」
スパ「届かないか…。ハル、ちょっとウチの尻ポケットにあるナイフ出してくれる?」
ハル「ナイフですか?」
スパ「ん。刃が閉じるタイプなんだけど、上手く刃を出す事が出来れば、もしかしたらこの布団から抜け出せるかもしれない」
ハル「ナイスアイディアです、スパナさん!直ぐ出しますね!!」
スパ「あ、そっちじゃない。右側のポケットの方。届く?」
ハル「はい、何とか…取れました!でも、上手く手が動かなくて、刃が出せそうにないです」
スパ「ウチがやるから、貸して。ん、有難う」
ハル「出せそうですか?」
スパ「多分…。急がないと、白蘭が戻って来たら終わりだ。ウチも次は殺されそうな気がする…」
ハル「それじゃ、スパナさんも一緒にランナウェイですね!」
スパ「…何でそんな嬉しそうなんだ…」