綱吉先生の波乱万丈な人生






綱吉「えー…それじゃ、授業を……授業を始め…。皆ー、静かにしてよー」
リボ「駄目駄目だな、ツナ」
綱吉「煩い!だから言っただろ、オレが先生なんて無理があるって!!」
リボ「最初から諦めてる様じゃ何もならねーぞ。死ぬ気でやれ」
綱吉「うわっ、銃こっちに向けるなって!解った、やるよ!やれば良いんだろ!?」
リボ「なら、初めからそうしろ。世話焼かせるな」
綱吉「…ったく、人使いが荒いんだか――…何も言ってません。だから銃しまって下さい」
リボ「早くしねーと、始める前に授業時間が終わるぞ」
綱吉「解ってるって。えっと、気を取り直して授業を……あれ、何でこんなに空席があるんだろう」
獄寺「はい、10代目…じゃなかった、先生!」
綱吉「あ、はい。獄寺君、どうしたの?」
獄寺「雲雀とベルフェゴールの野郎は、何か知らないっスけどさっき、突然飛び出して行きましたよ。凄い形相になって」
綱吉「へぇ…?何かあったのかな」
獄寺「さぁ。あいつらの考えなんて、オレには解らないっスから。あぁ、そういえば山本が様子見て来るとか言って―――」
山本「ツナ!…じゃない、綱吉先生だったか。なかなか慣れねーな、これ…」
獄寺「遅ぇぞ、てめー。何やってたんだよ。ってか、ドアんな勢いで開けたら、他の連中がビックリすんだろーが」
山本「ははっ、悪ぃ。慌ててたからつい、な。それより大変だ。ハルが攫われた」
綱吉「え?」
獄寺「は!?」
山本「さっき、六道が血相変えて学園出て行こうとしてるとこ捕まえて聞いてみたんだ。そしたら、白蘭とかいう奴に誘拐されたって…」
綱吉「白蘭って、あのミルフィオーレ学園の!?」
獄寺「何で白蘭が…」
山本「一目惚れってヤツじゃねーか?ハル、ああ見えてかなり可愛いしな」
獄寺「なっ…何呑気に笑ってやがんだ!ミルフィオーレはこのボンゴレ学園のライバル校、つまりは敵なんだぜ!?」
山本「でもなぁ…。なーんか六道の話聞いてると、命の危機とかそんな感じじゃなかったんだよな。ま、オレの勘だけどさ」
獄寺「てめーの勘なんて当てになるか!…こうしちゃいられません、10代目!!」
綱吉「うん。山本の勘を信じない訳じゃないけど、ハルが誘拐されたのなら、理由は何であれ助けに行かないと」
獄寺「はい!お供します!!」
山本「お前はツナが行かなくても、一人で乗り込んで行きそうだけどな」
獄寺「…っ、ななな何言ってやがる!てめー!!」
リボ「凄ぇ真っ赤になってるぞ」
獄寺「リボーンさんまで!」
綱吉「やめろよ、リボーン。今は遊んでる場合じゃないだろ。行こう、獄寺君。山本」
山本「おう」
獄寺「了解っス!」
リボ「薬、忘れんなよ」
綱吉「うん。悪いけど、後宜しく」
リボ「あぁ。こっちの事は心配するな。俺が上手くやっておく」
綱吉「頼むな、リボーン」


ディ「おーいツナー…って、いないな」
リボ「何だ、ディーノ。お前も来たのか」
ディ「お、リボーン。久しぶりに教師やってるんだな」
リボ「あぁ、ツナがミルフィオーレ学園に行っちまったからな。授業に穴あける訳にも行かねーだろ」
ディ「ま、それもそうだ。て事は、もう知ってるんだな。ハルの事」
リボ「山本が骸から事情を聞いたらしくてな。獄寺も含めて3人で向かったぞ」
ディ「あー…。一足遅かったか」
リボ「そういうお前は、雲雀にその事話したのか?」
ディ「まぁな。というより、恭弥の方から話しかけて来たんだ。珍しく。で、近くに居たベルフェゴール共々、あっと言う間に学園から出て行った」
リボ「お前は良いのか?」
ディ「ん?」
リボ「ハルを救出しに行かなくて」
ディ「あぁ。俺が下手に手を出すと、恭弥のヤツが煩いからな」
リボ「お前も成長したんだな。少し見直したぞ」
ディ「今更だろ?俺ももう子供じゃないんだし、後はあいつらを見守ってやるとするさ」
リボ「そうだな」







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