白蘭先生の授業風景3
正一「呑気に飴なんて食べてる場合じゃないだろ…」
ハル「はひっ!?」
スパ「ん、正一。胃押さえてどうしたの」
正一「どうもこうもないよ…。白蘭サ…先生のせいで、腹痛が悪化した」
スパ「其処、胃なんだけど」
正一「どっちも痛いんだ」
スパ「ふぅん」
ハル「みみみ、見つかってしまいましたっ。あのあの、ハルはその…っ」
正一「うん、解ってるから。白蘭先生に無理矢理連れて来られたんだよね」
ハル「え?」
正一「違う?」
ハル「はひ、いえっ。その通りです!…よ、良かった。話の解る人がいました」
スパ「何、誘拐?」
正一「否定出来ないのが辛いな…。そういえばスパナ。お前なんでこんな所にいるんだ?さっき教室に居なかっただろ」
スパ「新型モスカ造ってた。起動音が静かなのを…ちょっと失敗したけど」
正一「へぇ…って、失敗?スパナが?」
スパ「うん。他にも色々と機能付けてたら、容量オーバーでパンクしたんだ」
正一「あぁ、成る程」
ハル「あ、あのー…。お話中すみませんが、そろそろ出口の方を教えて欲しいです」
正一「あ。そ、そうだったね。御免。直ぐ連れて行くから」
スパ「ウチも行こうか」
正一「いや、良い。三人でゾロゾロ歩いてると目立って仕方が無いし」
スパ「でも、もう見つかってる」
正一「…は?」
白蘭「駄目だよー、正チャン。抜け駆けは」
正一「うわぁ、白蘭サン!?」
ハル「はひー!!簀巻きの人です!」
白蘭「こんな所に居たんだ。…ハル、後で仕置きだよ。スパナ君、背後に隠れてるその子、こっちに渡してくれるかな」
ハル「笑顔で怖い事言わないで下さいっ!」
スパ「無理。凄い力で腰に抱きつかれてるし」
白蘭「さり気に羨ましい光景見せ付けてくれるね、君…」
スパ「内臓が圧迫されてるんだけど、それでも羨ましいなら是非とも代わって欲しい。というか、寧ろ助けて」
正一「白蘭先生、もういい加減に彼女を解放してやったらどうですか」
白蘭「嫌」
正一「スパッと断らないで、少しは考えて下さい…。このままだと、ボンゴレ学園の連中が乗り込んできますよ?」
白蘭「別に良いんじゃない?その時は応戦すれば済む話だし」
正一「簡単に言いますけど、今は成るべくボンゴレと事を構えないでおきたいんです。先生もこの学園のトップなんですから、そのぐらいお解かりでしょう」
白蘭「うん、解るよ。でも僕はハルを手放す気は無いし、その結果がボンゴレとの戦争に繋がるなら、仕方ないよね」
正一「仕方なくありません!」
スパ「痛い…死にそう」
ハル「い、今の内に逃げましょう。えっと、スパナさん…でしたっけ。少しの間で良いので、人質になって下さい」
スパ「この状態では、うん以外の返事は出て来ない」
ハル「良かったです!それじゃ、こっそりとレッツゴー」
スパ「…良くない。死ぬから、少し力緩めて」
ハル「はひ?あ、すみません。ついうっかり」
スパ「うっかりで人を絞め殺さないで欲しい…。それにしてもアンタ、意外に神経が図太いんだな」
ハル「こんな所に誘拐されたら、誰でもそうなります。それで、出口はどっちなのでしょう」
スパ「白蘭の許可が無いと出入り出来ないって、さっき言った筈だけど」
ハル「そんなの行ってみないと解らないじゃないですかっ。もしかしたら、何処かに抜け道とか見つかるかもしれませんし、取り敢えずは場所だけでも覚えておきたいんです!」
スパ「大声出すと気付かれる」
ハル「はひっ。すみません」
スパ「生徒が出入り出来る校門は、あっち。東側。歩いて30分ぐらいだな」
ハル「………何でそんな遠いのでしょう」
スパ「ウチに言われても困る」
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