白蘭先生の授業風景4
ハル「はひ、見えてきました!あれが校門――………ですか?」
スパ「…凄い顔。目玉が飛び出しそうだ」
ハル「え…え?あれ、どう見ても、ハルには只の壁に見えるんですけど」
スパ「壁だから」
ハル「は?」
スパ「だから、壁」
ハル「いえあの、さっき出口だって言いませんでしたか?」
スパ「うん」
ハル「壁が出口なんですか?」
スパ「そう。あの壁の隅の方にセンサーがあって、其処に白蘭が指輪翳すと開く仕組みになってる」
ハル「……それ以外では?」
スパ「開かない。何があっても、決して。だから言ったんだ。白蘭の許可が無いと駄目だって」
ハル「そ、そんな…。何でそんな要塞みたいな出入り口にしてるんですか!」
スパ「知らない。白蘭に聞いてみれば?」
ハル「だから戻ったら簀巻きにされるんですって!!そしてきっとまたゴロゴロと転がされるんです…一晩中」
スパ「つまりアンタは白蘭と一晩中一緒に居る、と」
ハル「はひっ、エロい言い方しないで下さい!!」
スパ「自分で言ったのに」
ハル「とにかく、そういう意味じゃありませんから!そ、それよりどうすれば良いのでしょう。あそこ以外に出口は…」
スパ「探すだけ無駄だと思うけど。少なくともこの十数年間、ウチは見た事ない」
ハル「十数年って…スパナさん、一体どのぐらい此処にいらっしゃるんですか?」
スパ「さぁ?子供の頃からだけど、年数なんて覚えていないな」
ハル「お家には帰ったりしないんですか?他の皆さんも…」
スパ「ウチ、家族居ないし。他の連中も似たような境遇の奴らばかりだから、殆どが寮住まい」
ハル「す、すみません…」
スパ「…?何で謝んの」
ハル「え、えっと…」
スパ「あ」
ハル「はひ?」
スパ「危ない」
ハル「―――――!!」
スパ「耳塞いだ方が良いかも……って遅かったか」
ハル「な。な、な…」
スパ「アンタ、人を絞め殺す趣味でもあんの?背骨が…ミシミシいってる」
ハル「い、いいい今、壁が吹っ飛びました!ブレイクアウトです!!」
スパ「うん。見れば解る。誰かが外から吹き飛ばしたんだろうね。…で、そろそろ離して欲しいんだけど。このままだとウチ、窒息死しそうだし」
ハル「誰かって…もしかして獄寺さんでしょうか?」
スパ「…聞いてないし…」
雲雀「何やってるの、三浦」
ベル「何かすっげームカツク光景なんだけど。そいつ誰?」
ハル「ヒバリさん、ベルさん!助けに来てく……れた割りには、何だか顔がとても怖いです」
スパ「……苦し…」
雲雀「人の質問に答えなよ。何してるのか聞いてるんだけど」
ハル「え。何って見ての通りですよ?ハルは此処から逃げようとしてる最中です」
ベル「逃げようとしてるヤツが、何でそいつに抱きついてんの?しかもご丁寧にこんな人気の無い場所で。更に真っ先に別の男の名前が出るとかどーいうワケ?」
ハル「あ、あれは…だっていきなり壁が吹っ飛んだので、誰かが爆弾でも使ったのかと!爆弾と言えば、獄寺さんですし。後、人気が無いのはハルのせいじゃないです!」
雲雀「言い訳は良いよ。…覚悟は良いね、三浦」
ハル「!」
ベル「ししっ。散々探し回らされて梃子摺らせてくれた分、王子がたっぷり可愛がってやるからさ、有り難く思えよー?」
ハル「!!」
スパ「………」
ハル「スパ、スパナさん、逃げましょう!あの二人、完全にファイティングモードに入っちゃってます!!」
スパ「………」
ハル「スパナさ…あぁぁ、こんな時に寝ないで下さいー!このままだとハル達、永遠のスリーピングビューティになってしまいますー!!ウェイクアップ!スパナさんー!!」
スパ「…その前に、ウチだけが死ぬ、気が…する。アンタに絞め殺されて」
ハル「あ、良かった。起きてくれました!」
スパ「うん。本気でアンタに永眠させられそうだったから」
雲雀「その前に、僕が君達を咬み殺してあげるよ」
ベル「ハルー。服だけ切り刻まれんのと、オレに部屋連れ込まれんのどっちが良い?」
ハル「ヒバリさんのもベルさんのもノーグッドです!というかベルさん、何か発言が過激になってませんか!?それは裏ページ仕様ですよ!!」
ベル「あー…最近オレの出番少ないしー?」
雲雀「拗ねてる場合かい?三浦とツナギの彼、もう逃げたよ」
ベル「拍手用ミニとか、何だかんだで出番の多いお前に言われたくねーっての。…でもま、ハルとアイツを2人きりにしとくなんて冗談じゃねーし、そろそろ行こっか」
雲雀「群れるのは嫌だけど、この場合は仕方が無いね。時間が惜しい」
ベル「ハル取り戻したら、お前とも遣り合わねーといけねーしな」
雲雀「そういう事」
ベル「うしし。姫狩りスタートじゃん?」